①住宅の構造が気になる人
②木造住宅の構造に不安を感じる人(地震に強い?)
③木材の品質安定(素材のバラツキについて)
こんちにはヨロズヤです。
住宅の購入検討をしている人の中には、構造躯体が気になる人も多いのではないでしょうか?有名なハウスメーカーは鉄骨系の会社が多いので木造住宅に不安を感じる人が一定数いることも事実です。今回は木造住宅の構造について伝えたいと思います。
日本の住宅の木造住宅の比率は8割以上です。全ハウスメーカーを合算した市場は10%程度と実はそれほど高くありません。鉄骨系のハウスメーカーの市場は国内の数%です。あまり鉄骨にこだわる必要は無いでしょう。圧倒的に木造在来工法が多いのが特徴です。
木造住宅の耐震性について
住宅の耐震強度は構造種別に関わらず品確法(住宅性能表示制度)で定められた耐震強度を用いて3段階の等級で表します。『等級1』は建築基準法を満たした最低限レベルで、『等級3』は『等級1』の1,5倍の強度を表します。
木造住宅でも『等級3』は建築可能です。『等級3』を条件で住宅設計をすれば、木造住宅でも耐震に強くする事が可能です。ただし注意点が一つあります。
木造住宅を建てている会社は何万社もある為、同じ『等級3』の住宅でも設計者スキルにより、本当に良い検討が出来ているかは疑問を感じる事があります。
木造2階建ては『4号建築物』と言われており、簡易的な強度計算(壁量計算)のみで建築物の申請が出来ます。これが木造3階建てとなると複雑な許容応力度計算が必須になるのです。
木造2階建てを中心に事業をしている会社では、許容応力度計算まで必要ないので構造設計スキルが低い場合がある事も事実です。
木造会社の構造設計スキルと家造りについて
木造の3階建てで必須となる許容応力度計算では建物の『固定荷重』や積雪等の『積載荷重』を考慮して部材ごとの強度検討をしていきます。しかし2階建ての木造では壁量計算と呼ばれる壁の配置や数量で強度を確認する為、許容応力度計算に比べて簡易的なのです。
設計スキルの高い木造住宅会社では、部材強度を確保したり、耐力壁バランスを考慮したり、水平構面を考慮するなど、許容応力度計算を整理してプランニングルールを作成しております。ルールに従ってプランニングすれば誰が間取りを書いてもしっかり強度が確保出来る家造りが可能となります。
木材の品質安定について
そのとおりです。木造住宅は木材を使いますので調達が容易でコストを抑えるメリットがありますが、自然素材なので材料の安定性は鉄に比べると劣るでしょう。
しかし、現在の木材加工技術ではEW(エンジニアウッド)という製品で品質が安定している加工製品も主流になっております。オリンピック会場を木造で作れたのはCLT材と呼ばれる木造加工技術の発展のおかげなんですよね。自然素材の木材も技術も安心して使用できますよ。
今回は構造の話をしました。
構造や躯体の話は奥が深いので徐々に情報を提供していければと思います。私自身は鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨造(S造)、木造の建築を経験してきましたが自分の家を建てるのであれば木造住宅で十分だと考えております。
今の住宅は評価基準がしっかりしているので木造で十分な性能が確保できるうえ、価格もお手頃だからです。
ハウスメーカーを選ぶ最大のメリットは、工場での組み立て工程が現場施工の省力化に繋がり、人の手による施工品質のバラツキを無くしていることでしょう。木造住宅は現場施工による品質のバラツキは正直あると思います。
住宅建築のアドバイスや40代になって自身の変化、趣味・挑戦について記事にしてます。一級建築士/一級建築施工管理技士/宅建士