新築住宅のインターネット回線計画は、時代の流れやテクノロジーの進化により考え方も変わります。
また、個人の主観や生活スタイルにより計画内容や需要が異なるため、住宅会社の担当者だけに任せるのではなく、自分自身でしっかり考える事も大切です。
有線LANをパソコンに繋げてインターネットを利用するのが主流だった10〜15年前の新築住宅では各部屋にLANケーブルを通す為の空配管を施工しておりました。
TV配線(同軸ケーブル)とLANケーブル、TELケーブルを束ねた『複合ケーブル』にて施工性を考慮した製品も扱われておりました。
画像出典:富士電線㈱公式HPより
経済産業省がHEMS(ハウス・エネルギー・マネージメント・システム)を推奨した、約10年前は、家庭内で無線で繋がるスマホやWi−Fiが徐々に普及が始まり有線LANケーブルは少しずつ減少したので、各居室への配管も計画されない場合が増えました。
そして現代では、タブレットの動画視聴、テレビゲームのオンライン化、テレワークによる在宅業務、IOT家電の接続が更に進み、快適なインターネット環境を整える為にはどうしたら良いか、改めて考えてみましょう。
有線LANケーブルについて考える
オンラインゲームの普及に改めて有線LAN接続の需要が増えております。LANケーブルにも種類があるので目的にあったケーブル選定が必要です。
LANケーブルは同じ様に見えて、実はカテゴリ(規格)が異なる製品が複数あります。CAT5(カテ5)やCAT6(カテ6)と表示されております。
数字が大きいほうが性能が高く通信速度も早くなります。
- CAT5 最大通信速度100Mbps→近年、あまり使用されていない
- CAT5e 最大通信速度1Gbps(1,000Mbps)→安価で普及製品
- CAT6 最大通信速度1Gbps(1,000Mbps)→多くのデータ転送や動画視聴にもオススメ
- CAT6A 最大通信速度10Gbps→高画質動画の視聴やオンラインゲームも安定
- CAT6e 最大通信速度10Gbps→CAT6A同等でメーカーの独自規格
- CAT7 最大通信速度10Gbps→将来性を考慮して選定するならこれ
現在の新築住宅で通信速度を考慮するんであれば、最低でもCAT6を選択するのが良いです。安定した通信速度を期待するならCAT6AやCAT6e、将来性を考慮するならCAT7の選択も良いでしょう。
新築住宅であればインターネット回線速度(宅内への引き込み)の6割〜8割の速度を宅内で使用可能です。例えば一般的な光回線であれば1Gbpsの通信速度となるため、600〜800Mbpsが宅内で使用可能です。
住宅内でインターネットに接続している無線回線(タブレット等)や有線回線(LAN接続)を分け合って使用します。

有線LANの通信速度を気にしても家庭内の接続環境によるのでご注意ください。
最近では2Gbpsの高速光回線もサービスが普及してきましたので上流の回線契約を気にするのも大切です。
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一般的なオンラインゲームや4K動画視聴は100Mbpsが必要と言われております。

将来的な生活スタイルを考えて各部屋に配管する
時代の流れによりLANケーブルも性能が良くなっており、目的も変化があるため新築工事では配管を各部屋に配っておくと良いです。
今すぐ使わない部屋であっても将来は使い方が変わっている事もあります。変化する生活スタイルを考慮して置くべきでしょう。
空配管があれば家電量販店でLANケーブルを購入して自分でケーブルを通すことも簡単にできます。
LANケーブルの配線手順は以下の通りです。
①必要長さを調べる→②LANケーブルを購入→③配管にケーブルを通す→④機器に接続
①長さを調べる
LANケーブルの長さを調べるにはONUからLAN使用室のコンセントまでの距離を以下のイラストのイメージで調べます。
配管は天井裏を通すことこが多いので、イメージ①の画像であれば垂直距離①+水平距離②+垂直距離③を目算することにより概ねの長さを想定できます。また配線は余長を1m〜2mを考慮すれば良いです。
②LANケーブルを購入
③配管にLANケーブルを通します。距離が長い場合やLANケーブルが引っかる場合は、通信ワイヤーを使用すると良いですよ。
④LANケーブルを接続して完了。

有線LANと無線LANの環境を整える製品
無線LAN(Wi-Fi)の多くの製品は、置き場所のスペースが必要なのがデメリットです。家庭内で複数回線を繋げたり、通信状況が悪い場所もあるので、無線LAN(Wi-Fi)を複数設置している家も多いでしょう。
無線LANが壊れても簡易的交換できるのでメンテンスが容易です。
置き場所とメンテナンス性を兼ね備えた埋込み型の有線・無線LANも見るようになりました。市販の無線LANと比べると高額ですが新築住宅をスッキリ見せることも出来るので需要はありそうです。
画像出典:アバニアクト公式HP
テレワークやオンラインゲームが必須な生活スタイルでは重宝すると思います。


住宅建築のアドバイスや40代になって自身の変化、趣味・挑戦について記事にしてます。一級建築士/一級建築施工管理技士/宅建士