施工管理

【住宅建築の初心者編】コンクリート工事の品質確保

こんな人におすすめ!

①基礎工事が始まったのでコンクリートの事が知りたい

②施工管理者としてコンクリート管理のポイントが知りたい

こんにちは、ヨロズヤです。

住宅の購入者は、住宅会社と契約行為の後に間取りを決めます。各種申請の手続きが終わったらいざ着工です!施主の気持ちとしてはワクワクして工事の事が知りたくなるでしょう。

住宅の施工管理者も若い頃は経験が少ないのでコンクリートの管理ポイントを把握しておらず、業者さんにお任せの人も多いでしょう。

今回は、住宅の基礎工事「コンクリート工事」についてお伝えします。

ヨロズヤ
ヨロズヤ
コンクリートは適切に施工管理することが大切です。特にコンクリート養生は施工管理の基本です。まずは養生による品質基準を見てみましょう。

コンクリート養生とは何か?

そもそもコンクリート工事とは、生コン工場で配合されたコンクリートを生コン車で現場まで運んで流し込む工事の事です。練り混ぜからコンクリートを打ち終わるまでに時間制限があります。
■25℃未満・・・120分以内   ■25℃以上・・・90分以上

建築現場で生コンを打ち込んでから強度がしっかり出るまで温度や湿潤状態を管理しなければ、コンクリートの収縮ひび割れが生じます。ひび割れ部分からコンクリートの中性化(アルカリ性が失われる現象)が進行すれば鉄筋の腐食が始まるのです。

ワンコロ
ワンコロ
難しいワンね!要するにコンクリート打設直後にしっかり管理しておけば問題ないワンね!

コンクリートの養生

コンクリートを打ち込んだ後に温度や湿潤状態を管理することをコンクリート養生と言います。この養生期間をしっかり管理することが品質確保となるわけです。

住宅規模のコンクリート工事であれば計画共用期間が「短期か標準」となるため普通ポルトランドセメントで5日以上の養生期間を確保すればよいでしょう。

養生はシートや養生マットを使って「夏の乾燥」「冬の保温」を行います。住宅ではあまり見ませんが夏場のコンクリート打設後に散水することで湿潤状態を保つ養生方法もあります。

冬場のコンクリート養生はコンクリート温度を2℃以上に保つことも必要です。

型枠の存置期間とは

コンクリート養生期間を型枠の存置期間(コンクリートを流し込む枠)と勘違いしている人は注意です。

型枠の存置期間=養生期間では無い、施工管理者が解釈を誤って養生確保できていない場合もあります。
《普通ポルトランドセメントの型枠存置期間(平均気温)》
・5℃未満の場合    ・・・8日の型枠を残す
・5度以上〜15℃未満 ・・・5日は型枠を残す
・15℃以上の場合  ・・・3日は型枠を残す

夏場は3日で型枠を外すことが出来ますが養生としては5日必要なのです。

住宅用 鋼製型枠住宅用 鋼製型枠

※型枠の存置期間は、告示や日本建築学会(JASS)によって記載が異なるため、施工管理者が困惑しやすい。

ヨロズヤ
ヨロズヤ
住宅基礎のコンクリート工事は養生方法や平均気温、養生期間をしっかり把握することで品質の高い管理が出来ますよ。

その他、コンクリートの施工品質について

コンクリートは、「水・セメント・細骨材・粗骨材」が配合された工業製品です。建築工事の場合は現場で打ち込みが必要となる為、人の手による施工品質のバラツキが生じやすい工事でもあります。

コンクリートの締固め

コンクリート打ち込み後は、バイブレーターによる締固めを行います。これをしないと密実なコンクリートが型枠の隅々まで行き届かないためコンクリートの施工不具合が発生しやすくなります。

タンピング処理

打ち込み後のコンクリート沈降によって生じる「ひび割れ、収縮、材料分離」による欠陥を防ぐためにはタンピングと呼ばれるコテ処理を行います。これをしっかりしなければコンクリートの表面のひび割れが発生し中性化の原因となります。

今回はコンクリートの初心者編です。コンクリートは奥が深いので今後追加していこうと思います