①建築の施工管理に興味がある人
②施工管理のやりがいを改めて確認したい人
今回は戸建て建築の施工管理という仕事について書きました。
住宅は建築現場にて作り上げていくものです。建築工事では大工さんや内装業者さん等、多くの職種の職人さんが出入りします。また資材搬入やゴミの搬出・品質検査員等の多くの人が出入りする為、調整する人が必要になります。
施工管理者は現場に『出入りする人の調整』を行いながら、『安全な環境』で『品質の良い』家を造り、『無駄の無い作業』手順で現場の指揮をとる立場の人の事を言います。
施工管理者の技量次第で家の仕上がりや環境は全く異なるものになります。
住宅工事の施工管理(現場監督)の業務について
私が建築の現場監督の存在を知ったのは18才の時です。現場作業員として仕事をしていた頃でした。当時の私は重たい資材を運んだり、高い場所で作業をしていた為、現場監督が施工確認に現場へ来るたびに『楽そうな仕事だな』という印象でした。
なぜなら、施工管理(現場監督)の担当者の方は現場に来ては業者さんと少し会話して建築中の現場をグルッと見て帰るといった程度だったからです。
実際のところ住宅の施工管理職は複数の施工管理現場を同時に管理する会社が多い為、現場で状況を確認するだけでなく、着工前の施工準備から引き渡した物件の対応が必要となります。
今思えば現場に常駐できない為、建築現場への確認業務は限られた時間の中でやりくりしていたのでしょうね。
施工管理も建築規模によって異なる
先程、住宅の施工管理は複数の現場を同時に管理する為、現場へ常駐する事は出来ないと言いましたが、規模が大きな建築現場となれば現地に常駐して業務を行います。
この場合複数の現場監督が常駐する事になりますので、建築現場に仮設事務所を設置して施工管理するのが一般的です。
私の経験ではどちらの施工管理もそれぞれの面白みと苦労があります。現場常駐の施工管理では、朝の朝礼や安全活動、昼間に現場指示、工事状況の確認、記録写真の撮影、打ち合わせを行い夜間に事務処理や書類整備、施工図作成やチェックを行う事が多かったです。結構激務でした。
コンクリートを打つ日は準備に終われるし、コンクリートを打設したら早朝からの墨出しを行う等、苦労話は話は尽きませんが楽しくもありました。今は働き方改革が進んで建築現場の労働環境も変わっていると思いますが、20年くらい前はそんな状況でした。
実際、朝の4時に帰宅して朝の6時に出社とか今考えれば異常でしたね。食事しながら寝てしまった笑い話も懐かしいですね。
大変な思いはしましたが朝から夜まで建築現場に常駐している為、技術職としては学ぶ事も多く、戸建て建築では少ない鉄筋コンクリート構造や鉄骨構造を経験出来るので施工管理職とした面白みを感じる事は多いと思います。
戸建て住宅の施工管理
戸建て住宅の場合は複数の現場を同時に管理する為、個人の裁量で自由に行動計画が組み立てれる事が多く、この仕事環境に魅力を感じて人は多いと思います。
自分で仕事の組み立て(段取り)が得意な人は、職人さんからも好まれ〇〇さん現場の仕事はやりやすい等、建築関係者からの評判が生まれて現場のしごとがドンドン楽しくなるでしょう。
逆に仕事の組み立て(段取り)が下手な人は信頼を失い業務に追われてしまい、悩みや問題を一人で抱え込みやすい職場環境でもあります。
住宅会社によっては現場の流れが決まっている環境で働いている人も多く、大工さんや職人さんが仕事内容を理解している為、若い現場監督は何も苦労せずとも家ができあがってしまい、技術職としての経験が積みにくい事もあります。
建築のスキルは知識を増やしながら経験を積み重ねることで身につけるものですが、施工管理の仕事は現場の段取りだけだと勘違いする人もいる為、年を重ねても未熟な現場監督が多くいるのも事実です。
こういった自分のスキル不足を施主の性格が細かい等の理由にすり替えている現場監督を何人も見てきました。実際に細かい人もいると思いますが、それに答えれる自分のスキルがまずは必要だと私は思います。
戸建て建築のやりがいとは
それでは、戸建て建築のやりがいとしてはどうでしょうか?この仕事に関わる多くの人がやりがいを実感するのは、自分が管理して建築した物件を引き渡して喜んでもらえた時ではないでしょうか?
大型物件や公共工事の様に、不特定多数の人に利用してもらうために建築するのと異なり、個人の施主が人生のイベントとして建築行為を行う為、完成時に嬉しい気持ちが込み上げてくるのは当然でしょう。
施主が喜ぶ姿や生活の様子を伺うと自分の仕事にプライドを持てるようになり、やりがいを感じる人も多くいます。自分の身につけた技術を活かしながら、多くの人に関わり、家を造り、そして引き渡して喜びを共感できる。
仕事としては感慨深く自分の存在を実感できる職種だと思います。
但し、住宅会社の場合は建築業を生業としてますが、販売営業を第一を考える会社も多いため会社の中での技術職の立場はそれほど高くはありません。
現場環境とは違う理由で会社を離職する人も多く現場監督の転職が多いのも事実です。20年程前、建築業界は将来性が無く仕事が無いと懸念された事もあり、業界の若手人工が減少し高齢化が深刻化しております。今では現場技術者が不足し、経験があれば職に困ることは無いでしょう。(20年前では考えられない状況です。)
私は個人的に建築中の屋根上からの景色が好きですね。忙しい時も少しだけ腰をおろしてボーっとすると気分が晴れてきます。笑
話は変わりますが住宅業界での仕事では、一級建築士、一級建築施工管理技士、宅建士等が非常に役に立ってます。住宅業界に興味があれば比較的に取得しやすい宅建士をおすすめします。
今回、施工管理をテーマにしましたがまだまだ書きたいと思いました。続編も興味がある方は読んでください。
住宅建築のアドバイスや40代になって自身の変化、趣味・挑戦について記事にしてます。一級建築士/一級建築施工管理技士/宅建士