家を建てる人の多くが『家族との幸せな場所と時間』を作りたくて決断すると思います。安全・安心で長く住み続けられる家が理想です。
住宅会社での提案は、理想を叶える言葉が巧みに用いられるため、具体的な説明というよりスペックや性能値での説明が多いと思います。
住宅会社の社員教育も簡単に伝わる言葉で説明する事が重要とされているので、当然なのですが、具体的に『安全・安心で長く住み続ける家』とは何かまとめてみました。
安全・安心・長く住み続ける家とは?
家に求められる『安全・安心・長く住み続ける』とはなにか?
①災害時(地震・台風)に強い家
②健康的に暮らせる家
③光熱費が安くなる家
④火に強い家
⑤耐久性が良い家
⑥維持管理(メンテナス)性の良い家

健康に暮らせる家とは?
家とは長い時間を人が過ごす場所です。家を建てる時は『使い勝手』『日当たり』『住宅設備』『デザイン』などに興味を向けてしまいがちですが、長く住み続けるためには住む人が『健康』に暮らせることが大切です。
住宅がもたらす健康被害『ヒートショック』とは
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③浴室で温かいお湯に浸かる
④血管が拡張して、急上昇した血圧が急激に低下
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ヒートショックの対策とは?
まず住宅の温度差を解消することが大切です。家の中で暖房が効いているリビングだけが暖かく、脱衣所・トイレが寒い家はヒートショックを引き起こしやすいのでこれを防ぐためにはどうしたら良いのでしょうか?
室内の温めた(冷やした)熱が逃げるのは『窓』です。窓の対策をとれば、室内間の温度変化を抑えることが出来るので健康に暮らせる環境に繋がっていくのです。

画像出典:YKKAP公式HP
《窓の種類》
・アルミサッシ
・樹脂アルミサッシ
・樹脂サッシ
→『樹脂アルミサッシ』と『樹脂サッシ』の差額はそこまでありませんので出来れば樹脂サッシがオススメ!
→『アルミサッシ』から『樹脂サッシ』への差額は大きいのでコストと要相談ですね。
《ガラスの種類》
・単板ガラス
・複層ガラス
・複層ガラス(Low-E)
・複層ガラス(Low-E アルゴンガス)
・複層ガラス(Low-E クリプトンガス)
・トリプルガラス
・真空トリプルガラス
※遮蔽タイプ・断熱タイプ等種類は豊富です。
→トリプルガラスは高額です。大きな開口のサッシだけ使用でも効果大!
→一般地では複層ガラス(Low-E アルゴンガス)はコストと性能のバランス的にも丁度よいと思います。
→寒冷地では高額ですがトリプルガラス使いたいのが本音です。
窓(サッシ)は光熱費を安く抑える!
樹脂サッシを使用すると冷暖房費が安くなるので光熱費にもメリットがあります。樹脂サッシの導入費用が高いと思っても、長い目で見れば安くなる事もあります。樹脂サッシの導入コストと光熱費のメリットをシミュレーションして考えましょう。
以下の参考値では年間14,200円光熱費が安くなるそうです。10年で14万、20年で28万と考えれば樹脂サッシの費用を取りも出せるかもしれませんね!

画像出典:YKK AP
ヒートショックだけでない健康との関係性

結露によるカビ・ダニの発生
冬場は結露がカビやダニを発生させるため、喘息(ぜんそく)などの健康被害をもたらすリスクがあります。今までの一般地ではアルミサッシが主に使われてきましたが、気密性が良くなったことで結露という問題も増えました。
結露は室内と屋外の温度差による水滴の発生で、室内の環境にもよりますがアルミサッシの廻りがびしょびしょになる事で、カビやダニが発生し、喘息などの健康被害をもたらします。
結露の対策とは
結露の対策としては樹脂サッシを用いることが有効です。アルミは樹脂に比べて熱伝導率が高く、屋外で冷えたアルミが室内の温かい空気に触れて結露となります。樹脂は熱伝導率が低い為、結露しないのです。
換気も重要です。24換気システムをしっかりと廻して空気の循環させる事が結露対策にも有効です。

まとめ
安全・安心・長く住める家に、健康を考えた家造りは必須です。住宅購入時や新築時のコストは気になりますが、健康に暮らせる為には『窓・換気』の種類や性能をしっかり確認することをオススメします。
特に窓(サッシ)は後から交換することが難しいパーツです。リフォームで二重サッシという方法もありますが、1ケ所で2回窓を開けるのも面倒ですよね。
人生の長い時間を過ごす環境のついて知っておくと便利ですよ。


木造住宅の仕様や施工、品質について記事にしてます。一級建築士/一級建築施工管理技士/宅建士